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6/02/2014

『ワンス・アポン・ア・タイム』初見感想

はろーはろー
なかむらです。

5月29日より、東京ディズニーランドのNEWナイトエンターテイメント「ワンス・アポン・ア・タイム」が始まりました。



シンデレラ城を舞台に、プロジェクションマッピングの技術を用いてディズニーの物語が繰り広げられます。

既にプロジェクションマッピングの技術はここ数年で日本でも広く認知されるようになり、東京駅でのマッピングは大きな話題となりました。また、iPhone等の端末があればどこでもマッピングが楽しめる「ハコビジョン(http://www.bandai.co.jp/candy/hakovision)」という玩具もバンダイより販売される等、その勢いは止まりません。

そして、その技術をどよこりも遅くスタートさせたのが東京ディズニーランド。海外パーク(アナハイム、フロリダ、パリ)では既にお城を使ったプロジェクションマッピングのショーを上演しており、いつ東京にやってくるのかと首を長くしていた人も多いはず。

なかむらもその中の1人であり、花火と音楽、映像が見事に融合したフロリダのプロジェクションマッピングショー「Magic, Memories, and You!」は度肝を抜かれました。

ディズニーの最大の武器とはそのコンテンツ力であり、誰もが聞き覚えのある名曲やキャラクターを最大限駆使し、常にエンターテイメント界を牽引しています。


29日のスタートに向け、東京ディズニーランドでは"スニーク"(オープニング前にそのショー/アトラクションが正常に動作するかある一定期間お試し運営を行う期間)を行われました。
スニークの場合、基本的に本番同様のショーが行われ、今回も「ワンス・アポン・ア・タイム」では26日よりスニーク(プレスレビュー含む)。
またその様子はyoutubeにもアップされており、ハワイのなかむらも早速視聴。
ざっくりとその感想を書きたいと思います。


  • これは"プロジェクションマッピング"なのか?
 多くの場合、"プロジェクションマッピング"とは静止する建物に暗闇で投影され、通常では起こりえない建物のエフェクトや特殊効果を演出、投影対象となる建物の非現実的な動きを楽しむというものが一般的です。
しかし、今回の「ワンス・アポン・ア・タイム」の場合、シンデレラ城に投影されるその多くはディズニーの名シーンやキャラクター。シンデレラ城を巨大なスクリーンとし映像を投影しています。言うなれば、超巨大な映画館を野外の大勢で見ている感じ。
フロリダやアナハイムであるような、登場するキャラクターや音楽に合わせて、お城が様々なデザインやアクションを起こすというシーンが少なく感じました。
オリエンタルランドは、この"プロジェクションマッピング"技術をキャッスルプロジェクションと呼んでいます。Projection= 投影、Mapping=重ね合わせる・貼り合わせるという意味で、東京ディズニーランドの場合この"Projection"という言葉のみを使用しているので、言葉の通りあくまでお城をスクリーンの代替として考えているのかもしれません。


  • キャッスルショーの復活が遠ざかる可能性
今回ユニバーサルスタジオのハリーポッターオープンの対抗としてなのか、あえて30周年ではなくその翌年に持って来たプロジェクションマッピング。ただこれは、通常アニバーサリーイヤーは黙っていても客数は伸び、その翌年というのは反動でゲスト数が前年と比べて下降する傾向にあるので、その周年翌年対策として持ってきたのかもしれません。

ディズニーパークのプロジェクションマッピングショーにおいて、海外パークと大きく異なるのは鑑賞の際、城前に鑑賞エリアを用いて抽選方式を用いた事。この日本のショー事情とも言えるシステムは、正直微妙。さらにご丁寧に座席まで用意されている始末。
また、プロジェクションマッピングの利点はどの角度・距離からでも比較的ショーを楽しむ事が出来るので、わざわざキャストに席を運ばせて設置準備をする労力を考えると、ますます疑問が残ります。東京ディズニーランドの場合、今回の為にパイロを新たな場所に設置している為、せっかく抽選に当たっても最前とかだと近すぎて見づらいんじゃないのかなぁ。

加えて、毎夜2回行われるこの「ワンス・アポン・ア・タイム」により、従来の大掛かりなキャッスルショーステージの組み立てはショーの妨げになってしまいます。
既に発表されている様に、これまでキャッスルステージを使用し大量の水を振りまき繰り広げられていた夏のプログラムは、今年はステージではなくパレード形式となりました。
これは、ステージ組み立ての際にマッピングを邪魔してしまうというのが理由でしょう。もうクール・ザ・ヒート!や爽涼鼓舞のような、ステージでキャラクターが踊り回り音楽と合わせてステージから水が放水する、日本独自のショーがしばらく見る事が出来ないと思うと、寂しい気持ちもあります。

既にキャッスルショーの規模が縮小傾向にあるオリエンタルランド。今後、キャッスルショーをする場合どのようにしてステージを組むのか、加賀見政権でのキャッスルショーはもうお終いなのか。クリスマスの際にデコレーションを行っていたツリーやリースすらも、「ワンス・アポン・ア・タイム」の妨げとなってしまうのか…。キャッスルショー再開を臨むファンにとっては、少し悲しいです。


  • 悪い所ばかりではない!圧巻のロンドン&ステンドグラス
決して悪い所ばかりではありません。ぜひとも観てほしいのは、ピーターパンのシーン。映画のシーン同様、ロンドン上空を飛び回るシーンでは、お城全体をスクリーンとして映像を映しています。これは本当に映像に飲み込まれているかのような、空を飛んでいるような錯覚を覚えます。「ミッキーのフィルハーマジック」でのアラジンのアグラバーのシーンで、浮遊感を感じた人も多いのでは?あの感覚に近いかもしれません。
また、フィナーレを飾る「美女と野獣」にはかなりの尺を使って映画の冒頭のステンドグラスの語りシーンをお城全面に投影しています。これは観ていてすごく美しい。色鮮やかな投影は他の海外パークにも勝るクオリティを持っています。
構成上、ピンポイントではなく、お城全体を使って映像を投射する方がこのショーには向いているのかもしれませんね。


  • 結論:ワンス・アポン・ア・タイムとは?
"Once upon a time…"からはじまり、"Happily ever after"で終わる、ディズニー作品にはおなじみのこの2つのフレーズ。取り扱う作品は、「アリス」「ピーターパン」「シンデレラ」「白雪姫」「プーさん」「美女と野獣」と、どれもおなじみのディズニー作品であり、使用される曲も誰もが耳にしたことのあるおなじみの曲ばかり。
本来のプロジェクションマッピングの娯楽要素であった、建物の変化という演出の部分に関しては、キャラクターやシーンに頼り過ぎたのか、物足りなさを感じました。

コスト面で言えばプロジェクションマッピングには初期投資こそかかるものの、ランニングコストがほとんどかからず、かかるものと言えばパイロや機械のメンテナンス費用のみという利点があります。ダンサー等の人件費もかかりません。また、投影する映像を変える事で別のショーとして使用出来るので、絶賛経費削減中のオリエンタルランドからしたら、お金もかからず人も集まる、こんなに嬉しい事はないでしょう。

スニークから初日の様子を聞くと、その人気は凄まじく、ワールドバザール内までショーを観るためのゲストが伸びているよう(ただし音は届かない)。
1回目と比べ9時40分〜の2回目公演はかなり城前も空きがあるという事なので、抽選を1回目に行い、2回目は鑑賞エリアの後ろから観るのがベストかも。

これまで、パークの1日を締めくくるエンターテイメントと言えば、エレクトリカルパレードやファンタズミック、ハピネスオンハイとどれもナイトエンターテイメントとして素晴らしいショーばかりでした「ワンス・アポン・ア・タイム」は、プロジェクションマッピング自体真新しさは無いですが、そこをディズニー最大の武器であるキャラクターや音楽を使い、子供から大人まで楽しめるエンターテイメントをまたひとつ作り上げてしまいました。東京ディズニーランドでの夜のパークでの過ごし方(滞在時間の延長)を変えてしまうかもしれません。ゲストの滞在時間が伸びれば、その分パーク内で飲食やお土産といったお金を落とす金額も増加し、客単価が上がります。

今後のキャッスルショー動向が気になる所ですが、「ワンス・アポン・ア・タイム」今後このプロジェクションマッピング技術を、どう他イベントに組み合わせて行くか楽しみです。

そいえばこのショー、よく考えるとミッキーが一度も出て来ない?ミッキーやビッグ5が映像としても出て来ないショーってもしや初めて??


写真はフロリダのMagic, Memories, and you!のもの




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